研究概要

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音響空間の知覚・予測・再現

 ヒトが持つ様々な聴覚機能のなかで,音像定位(音源位置を検知すること)の機能は日常生活において必要不可欠なものです。我々はあらゆる方向から到来する音を聴くことができ,例えば背後のように視覚の及ばない方向であっても,また,暗闇の中のように視覚が役に立たない場合であっても,音を発する物体の位置を聴覚によって知ることができます。このように音源位置を検出する能力は,天敵が溢れていたジャングルの中などで生き延びるために重要な役割を果たしていたと考えられます。また、ヒトは音源の位置を同定するだけでなく、壁面などからの反射音を聞くことで空間的な情報を聴覚によって得ることができます。このようにヒトは聴覚情報においても空間の影響を受けています。建築空間では反射・吸収・回折といった様々な音響物理現象が生じており、このことが建築空間における様々な聴覚的体験の良し悪しにつながっています。

 本研究室では,音響物理学,音響信号処理,聴覚心理学,計算音響学などに基づき,音響空間の知覚メカニズムの解明、建築空間内において生じる音場の計算機による予測技術の開発、そして、音響空間を人工的に再現する技術の開発、などを通して、建築におけるより良い音環境の実現を目指して研究を行っています。



音像定位

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音場再現

頭部コンピュータモデルと

その表面上の音圧の数値計算